不動産売買契約サポート記事

重要事項説明書の重要な事項のポイントとは 01

マンションの購入を決め、「契約」に臨むと契約書の他に『重要事項説明書』を交付されます。
※そもそも間違いのないマンションを選ぶための「不動産に内在するリスク」については、『不動産の教科書』やこのサイトの別の記事をご覧ください。

重要事項説明書』とは何を説明するためのものでしょうか?

そもそも契約時に、宅建士が「売買契約書」の条文一つ一つについて、買主に不利になるような条項がないかどうかを詳しく説明してくれるのであれば必要のない書類です。別の言い方をすれば、「売買契約書」の中身をきちんと説明しない業者が多過ぎるために、“お上”から「きちんと説明せよ」とお達しがあり、それを仕組みとして義務付けるために『重要事項説明書』なるものが必要になりました。

なので、一番の目的は、一般消費者でも「契約内容」が分かるように説明することです。

また、売買経験者から、
契約書と内容が変わらなくない? なんだか同じ内容を契約書と重説で繰り返すだけで、途中で飽きちゃったよ。
という話を聞くことがあります。

契約時に宅建士が重要事項を説明する際、「売買契約書」と同様に『重要事項説明書』も書かれていることを棒読みするだけでは、飽きられて当然です。

本来「契約書」の補助教本のような存在の筈なのに、これを義務化する際に役所仕事で、必要のないような項目まで記載されているからです。契約書をいたずらに冗長にしたと取られても仕方がありません。

お客様のためを思う宅建士なら、メリハリをつけて「契約書の第〇条で規定されている内容は、重説のこの部分となりまして、内容は□□□」のように説明してくれる筈です。

これも事前取り寄せ

重要事項説明書』も、契約書等と同様に契約日の数日前に取り寄せて、内容をチェックしなくてはなりません。

契約日当日にぶっつけ本番で契約書や『重要事項説明書』を見たって、どの部分が自分に不利な条項か、なんて見抜くは難しいです。もし気付くことができても、売主や相手側業者の目の前でゴネるなんて、非常に勇気のいることです。

購入者側の仲介業者は、契約書等と共に事前に取り寄せ、購入者にとって不利な条項等がないか、専門家としての知見・経験を活かして、代わりにチェックするくらいのことはやるべきです。そして、不利な項目等を見付けたら、お客様と相談の上で売主と交渉する段取りが必要です。その調整が終わってから「サイン」ということになるのが普通ではないでしょうか。

あなたが購入しようとしているマンションの、当該売買行為に関する法律的な取り決めは「不動産売買契約書」に記されている、という点は忘れないでください。一番大事なのは、この契約書です。

重要事項説明書』は、上述の通り、いい加減な業者が多いために交付することが義務付けられたものです。別の言い方をすれば、契約書では分かりにくいポイントが簡単明瞭化されている必要のある書類です。

前置きが長くなりましたが、『重要事項説明書』に記載されている項目を見ながら、どこをチェックすればいいのかについて書いていきます。

重要事項説明書をチェックする際の注目点

ここでは、公益社団法人全日本不動産協会が用意している区分マンション向け「重要事項説明書」を使います。
※ 戸建て、土地の場合は、必要な条項等が格段に増えますので、別途ご相談ください。

表紙(表題部)

表題部に記載されている内容は「不動産仲介業者の資格」です。きちんと免許を持っている業者が仲介します、という宣言です。

目次は飛ばしまして、

契約書チェックの際も触れましたが、売買対象となっている部屋であるかどうか、念のためきちんと確認しましょう。

契約書にも同じような欄がありますが、契約書にはなくて重説にはある項目があります。

壁芯

マンションの専有面積を計測する方法には2つあり、登記簿では「内法」を採用し、分譲時のパンフレットや売買チラシでは「壁芯」を採用していることが多いです。

「内法」は、壁の内側の広さであり、隣戸との間にある壁は共有物なので専有面積に含めません。「壁芯」は、その隣戸との間にある壁の中心線から手前はこっちの面積に含めますというものです。「壁芯」の方が数㎡広く表示できるので、販売現場ではこちらを使うのです。

購入しようと思ったマンションの、最初に見たチラシやホームページの情報は、「壁芯」の専有面積になっていることが多いでしょう。実際に、自分のものとなる面積は「内法」の方なので、誤解しないようにしましょう。

建築時期

よく考えると、契約書の方にこの項目がないのがおかしいですよね。マンション購入を検討する際、築年ってすごく重要な要素なのに。

まぁ、別の言い方をすれば、重要な要素なので、こちらで追記したということでしょう。

この欄も契約書と同じように見えますが、契約書にはなかった項目があります。

規約敷地

マンション(建物)が建っている土地ではないのだけれど、規約によってマンションの敷地として利用することと定められた土地のことです。具体的には、敷地と少し離れたところに居住者用駐車場を確保する場合等が、これに当たります。

[少し横道に逸れた話]
規約敷地とは違う話ですが、マンションを建築した後、その敷地の建物のない部分を分筆して、第三者に売り払ってしまう悪徳デベロッパーは実在するんですよね、残念ながら。

これをやられてしまうと、残された建物は容積率超過の違法建築物(既存不適格)扱いになりかねず、建替えなんてただでさえ難しいところが、もう不可能と言っていい事態になります。

非常に稀なケースですが、一棟としての建物の敷地が建築当時から変化していないか確認する作業も、プロである宅建士には求めたいところです。

ここで厄介なのは、「2.登記簿記載の所有者と異なる」場合です。というか、契約日までに売主側業者が所有者に依頼して名義変更を済ませておかないといけません。この2の方にチェックがある時点で、売主側業者は使えねぇなと判断されかねません。(^_^)

相続して名義変更を済ませていなかった等、ケースとしてはそんなに珍しいものではないのですが、登記名義と売主が異なっては、所有権移転登記ができませんので、2の場合には、「いつまでに登記の名義変更を済ませるか」という期日も含めて、よくよく確認する必要があります。その場合、その期日までに名義変更がされなかった場合には契約解除という特約も必要です。(でも、基本は名義変更が済むまで契約書に判を押しちゃダメです。)

遺産分割の結果、実際には売主のものにはならないのに、登記名義人の息子であることを信じて金を払ってしまった、なんて詐欺のような取引に引っ掛かりませんように。

ここにはオーナーチェンジ物件の場合等の、部屋を使用している賃借人の状況等が表記されます。

自分が住むつもりで購入する場合は、この占有者がいつ出ていってくれるのか?が大事ですよね。その点をよくよく確認しましょう。権利が「普通賃貸借」だったら、こっちから出ていけというのが難しい場合があります。

⇒ まだまだ先は長いですが、続きは、別ページにします。